仕事は楽しいかね?デイル ドーテン
きこ書房 刊
発売日 2001-12
???出張の帰りに、大雪のため一昼夜空港のロビーに足止めされた「私」。そこで出会ったある老人に、つい仕事で鬱積(うっせき)した感情をぶつけてしまう。老人は実は、企業トップがアドバイスをほしがるほどの高名な実業家。その含蓄ある言葉に「私」はしだいに仕事観を揺さぶられていく。
???本書は、将来への希望もなく日々仕事に追われる主人公が、老人のアドバイスに自己変革のアイデアを見いだしていく物語である。それは、唐突に繰り出される老人の言葉とそれを問いただす「私」の会話で展開していく。たとえば老人は「目標を立てるな」という。「私」は、目標がなければ進歩の度合いが測れず、軌道修正もできないと反論する。しかし老人は、斬新なアイデアや商品がなぜ誕生したかを説き明かし、それらが目前の課題に集中した結果であることを指摘。また、世の中は自分が目標を達成するまで待ってはくれないとも言う。そして「遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る」「明日は今日と違う自分になる、だよ」などのアドバイスをおくる。
???試すこと、日々変化が必要であること、偶然を見落としていること…。本書のこうしたメッセージは特別なものではないが、それを痛切に感じさせる語り口が独特である。「多くの人は他人を凌駕する人材になろうとしているけど、それを他人と同じような人間になることで達成しようとしている」などは、自分を振り返らせるのに十分である。
???物語仕立てのビジネス啓発書としては「短編」の部類に入る本書。シンプルながら味わいのある1冊である。(棚上 勉)
超自己啓発 2009-03-31
超自己啓発といった感じ。
世の中には、小さいリスクで何度でも挑戦できる分野がある。そういう分野で人とは違うこと、昨日の自分とは違うことをやり続ければいい作品を作り上げることができるだろう。
大きな目標を小さなステップに分けて達成していく、というのが従来の成功法則だと思う。しかし本書の主張はまるで違う。とりあえず興味のあることを始める。目標が変わってもかまわない、寧ろ変化を期待しながら試行錯誤を続けることをよしとする。
人はいつか死ぬ。その中で何かを達成したいとは誰もが思う。だからこそ興味のあることをやる。そして、先人と同じ方法で同じ作品を作りたいと思う人間などいない。もちろん、先人と同じ水準にとどまっているなら成功はない。だからこそ試行錯誤を続ける。その結果、まったく新しいものができあがる。これは生きがいそのもだ。
本書を読んだら「ちょっとした工夫で人より効率よく仕事ができる」とか「ラクに儲ける」というようなテクニックには魅力を感じなくなる。自分なりの思考錯誤を続けることで、自分の作品を作り出すことこそ、楽しいし達成感があるものだと思った。
仕事は楽しいかね? はいつも手元において読み返したいと思います。
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